「酒器のページ」 

[ 写真をクリックされれば、拡大してご覧になれます。]


楼閣桜図の三つ重ね盃は、小皿と共に 染錦の皿・鉢 に掲載しています。還兎盃

及び 寶文字面取の「徳利と盃」は、 白磁/字紋のやきものに掲載しています。

特撰ぐい呑と絵唐津・徳利は、「源右衛門唐津窯」のページに掲載しています。







[3つの"源"銘の酒盃]

何れも六代館林源右衛門さん直々の手による酒盃で、高台の中に

は、力強く"源"の一文字を書き残されています。左のぐい呑みは、

最大胴径6cm、高さ5cmで、うつわ全面に瑠璃釉が掛けられてい

る瑠璃釉金彩梅花のぐい呑みです。見込みには、金彩で闊達に梅

の花が一輪描かれていて、とても品格があります。右の酒盃は、口

径 6.7cm、高さ4cmで、赤絵による草花が、内外側面に趣深く描

かれていて、見込みには、枯淡な筆運びで 「色即是空空即是色」

と般若心経文が書かれています。中央は、外周に蝶、見込みには

菜の花が、丁寧に味わい深く染付で描かれたぐい呑みです。口径

7cm、高さ3.5cm、手捻りの成形で 温かみがある作品です。全

て、ヒ−トアップしたネットオ−クションで、何とか落札出来ました。


後日蒐集した背後の酒器は、右と相似形で一回り大きいサイズ

です。その内外周には濁手素地に赤絵の草花、見込みには染

付の経文が描かれていますが、高台内の「源」銘を提示します。
[6C-15,17,20 & 34=2005.12, 2007.3 & 2007.8 & 2017.2]



[酒盃1・古染風]

小生は ビール党で、密かに ビールジョッキを期待しているのですが、

清酒は 殆ど嗜まないにもかかわらず、酒盃は 戴いたり インターネット

オークションで 入手したりして、いつの間にか沢山集まりました。この

盃は、甥夫婦から戴いた 5種1組の古染風(藤,草文,他)小付です。
[6B-1=1996.7]



[酒盃2・十二支:寅,卯,戌]

源右衛門窯では、毎年、その年の干支の酒盃,陶額,飾り皿が、創

作・販売されています。寅の酒盃は、1986年の製品と思われます

が、染付けと赤絵の一対からなり、精悍な描写が素晴らしい。 卯の

紺朱の酒盃も、心を籠めた絵付けに 好感が持てます。源右衛門窯

の兎は真に人気が高いと聞いていますが、宜なるかなの心境です。

直径6cm と一回り大きい、戌のぐい呑みは、二態の犬が微笑ましく

丁寧に描かれています。全てネット オークションで、入手しました。
[6B-5,16、6C-12=2000.10,2004.12,2004.12]



[酒盃 3・染錦 松竹梅]

染錦で、趣深く松竹梅が描かれている、3個1組の酒盃です。大きさ

は、「酒盃 1」と同じく、口径 5cm、高さ 4.8cmと手頃で、安定し

た形状です。インター ネット オークションで、松・竹・梅 それぞれに、

個性がある絵柄に惹かれて、ついつい 応札して、入手出来ました。
[6B-14=2003.8]



[酒盃 4・精緻な染絵付け]

外周と内側口辺に、とても丁寧に、染で精緻な絵付けがされている3つ

の酒盃です。平成から令和に引き継がれる間際に、何れも厳しいネッ

トオ−クションを通して蒐集できました。中央は、源右衛門窯を代表す

る白藍反転の章魚唐草紋様が、手描きの限界を越えて描かれていま

す。下記の"7つの華麗なぐい呑み"と形状が同じで、姉妹品と言える

でしょう。左は、絵描き職人さんのサ−ビス精神が詰め込まれた、祥

瑞紋様です。内側口辺には、松竹梅の吉祥紋が描かれていて微笑ま

しい。右は、清爽な山水絵が展開されていて、口径5cm,全高6cm

と小振りなのに、スケ−ルの大きさを 実感します。口辺の繋ぎ文や

底周辺の波紋も気品があり、隙のない絵付けには、心底から魅入っ

てしまいます。背面の絵模様が見える画像を、右下に添付しました。
[6B-60,61 & 62=2018.12,2019.2 & 4]



[酒盃 5・美麗な絵模様]

小振りな作品(中央の作品の口径・全高は共に5.2cm)ながら、とても

丁寧に成形・絵付けされた3つの酒盃です。左の酒盃は内面に阿蘭陀

船と船乗り、右の酒盃の内面には古代花鳥図が、多彩な色調を用いて

趣深く描かれています。しかも両方共、外周面は草花紋が美しい。中

央の酒盃は、外側面いっぱいに古伊万里風の草花が、金彩染錦の手

法でしっとりと描かれていて好ましく、見込みに描かれた草花も愛らし

い。どれも厳しいネットオークションを凌いで、何とか蒐集出来ました。
[6B-42,58 & 67=2012.3,2018.5 & 2022.5]



[酒盃 6・章魚唐草紋]

何れも小さな作品ですが、名窯の深みのある染付が美しい三様の酒盃

です。左は、藍白反転模様が映える、口径:6cm、全高:3cm、形状の

高台付き 猪口です。中央は、口径:6.5cm、高さ:8cm の凛として均

整のとれたカップ状の酒盃で、熱伝導が優れた錫製のカップが 内側に

嵌め込まれた、特殊な構造です。口径:7.5cm、高さ:2.5cm の浅い

形状の右の酒盃も、素描章魚唐草が 丁寧に描かれていて、好ましい。

何れも、ネットショップで目敏く見つけて、蒐集出来たのは幸運でした。
[6B-55,63 & 69=2017.12,2019.6 & 2022.11]

錫の酒器としての歴史は古く、平安時代の宮中で用いられていたと言わ

れています。味を変化させることに加え、滅菌性の高さも錫の特性です

が、「辛口の日本酒はまろやかに変化し、安酒の舌にピリっとくる刺激

も和らぐ」とのことです。また、「錫を入れた水は腐らない」とも言わ

れていますが、現代科学でもこれらの錫の特性の謎を、十分に究明出来

ていないようです。金銀に次ぐ高価な錫は、宮中や神事に関わる特権階

級の方々が、装飾品や神様への捧物などに、使用されてきたようです。



[個性的な三つのぐい呑み]

独特な個性を持った、染付による三つの魅惑的なぐい呑みです。左

側は、口径 6.8cm、高さ 2.5cmの浅い盃ですが、清酒を注ぐと見

込みに貼り付けられた紅魚が躍動し、染付けで描かれた周りの海草

が揺らいでいます。右側は、口径 6.8cm、高さ4cmの深めな盃で、

柳に安らぐ都鳥が 染付で描かれています。両方とも 枯淡な絵付け

と形状に魅了されます。中央のぐい呑みは、極めて繊細な線描技法

で、側面全面に花・貝・渦が描かれている、鮮やかな染付渦花紋で

す。高さ 5.5cm、底径4cm の細長いうつわの見込にも、同じ文様

が描かれていて、超名人芸と言う他はありません。因みに、見込の

様子を、右下隅に載せてみました。手に持った時の質感が、実に心

地よい。全て、熾烈なネットオ−クションを通して、入手出来ました。
[6C-5,6C-11,6C-13=2001.8,2004.5,2005.5]


左側の盃の名称は「染付海草貼花魚文平盃」です。添付説明書に

よると、この製法は青磁の装飾技法の貼花装飾様式として、中国

最大の青磁古窯・龍泉窯において、元 時代(14世紀 )に生まれ

ましたが、極めて難しい技法のため、現在、トプ・カプ・サライ美術

館等に僅か数点伝世されているのみで、「幻の陶磁」と言われて

います。源右衛門窯では古伊万里丸尾系の青磁を使い、青磁貼

花装飾様式を再現し、有田伝統の柞灰釉と源右衛門窯独特の染

付文様とのコンビネ−ションにより、斬新な試みが成されました。


「柞灰(いすばい)釉」については、源右衛門窯HPの工房

訪問 器ができるまで・施釉 を、ご参照下されば幸いです。




[絵変わりのぐい呑み]

源右衛門窯の開窯2百数周年を記念して作ったと言われる、5種1組

の「絵変りぐい呑み」です。左側から、萬歴,祥瑞,古伊万里染錦,古

染付,赤繪のぐい呑みです。それぞれに、その時代を代表した趣きと

美しさが、丁寧に絵付けされていて、実に楽しい。ユ−モラスな萬歴

魚絵のぐい呑みは、全方向からの絵を見れるように、2つ追加して掲

載しました。ネットオ−クションでは、常に 人気があるやきものです。
[6C-9,6C-14 =2003.11,2005.7]


添付されていた解説書の内容は、磁器に関して とても含蓄が

あります。 絵変わりのぐい呑み解説 をクリックされれば、拡大して ご覧になれます。




[華麗な7つのぐい呑み]

有田磁器特有の磁胎の白さを包み込んで、華麗な絵付けが施されて

いる、口径:6cm、高さ:5cmで均整がとれた7つのぐい呑みです。

綿密に計算された形状によって、手に持った時の質感や口を付けた

時の触感が とても素晴らしく、お酒も 注ぎ易い。上段は 左から、黄

緑彩唐草紋/古伊万里風楼閣桜図/緑彩唐草紋、下段は 同じく、

緑彩梅鳥紋/赤濃菊絵/桐花紋/木瓜割紋で、何れも源右衛門窯

の代表的な美しい紋様です。黄緑彩唐草紋は、他の紋様と違ってミ

ナイ手のため異国情緒を醸し出していますが、ペルシャ古陶の緻密

な幾何学紋様をモチ−フにしているためです。緑彩梅鳥紋のぐい呑

みは、15年程前に京王デパート新宿店で購入致しましたが、その他

は 激戦のネット オ−クションで、辛うじて落札して 蒐集できました。
[6C-2,3,4,10,21,22 & 25=1998.7〜2013.11]



ミナイ手については、下記のビールジョッキ、陶額のページの葡萄

収穫繪の陶額や珈琲のうつわの碗皿8も合わせてご参照下さい。




[可愛らしい酒盃と板皿]

中央の酒盃は、口径 5cm、高さ3cmの可愛らしい大きさで、花唐

獅子絵が美しく描かれていて、心底からお酒を楽しめそうです。左

右の酒盃も ほぼ同じ大きさで、清楚な染付濃みの環が好ましい。

料亭で愛用されていたとのことです。 板皿は、長辺が19cm、短

辺は7.5cm、厚さが 6mmです。滑らかな筆捌きで 鮮やかに描

かれた網絵は清涼感があって、夏の酒の肴を盛ると、とても風情

がありますが、残念ながら一客のみの珍品です。底面には 「源」

と彫られています。全て、厳しいネットオ-クションで求めました。
[6B-22,6B-27 & 7B-66=2006.6,2007.3 & 2006.5]


この板皿は、文献2の65頁、「料理と器 出合い旅」の記事で、

福岡の名料亭・<「 とり市 」>のお膳の写真に、載っています。




[瓢箪形の徳利]

左は、染付と赤絵の白抜きで、梅鳥文が描かれている、瓢箪形の1合

徳利です。中は、側面のピンストライプが キリリと引き締まって清々し

く、趣がある松絵の注ぎ口との調和が絶妙な、7勺徳利です。右は、

名窯特有の深みのある染付濃みで、満開の梅の木に遊ぶ尾長鳥が、

生き生きと描かれている1合徳利で、目を見張る美しさです。何れも、

側面に 凹凸加工が施され、お酒を注ぐ時の触感が心地よい。瓢箪形

の徳利は、何となくユーモラスで 安らぎを感ずる やきものです。幸運

にも、全て インタ−ネット オ−クションで落札して、入手出来ました。
[6A-5,6A-8 & 6A-18=2001.8,2003.7 & 2007.8]



[小粋な染付酒器]

晩酌がとても楽しくなる小粋な染付の徳利と酒盃です。中央の1合

徳利の高さは11cm、最大径は7.5cmで、すっぽり 掌に収まり、

祥瑞の捻り紋と相俟って、心がほっこり和みます。右の酒盃は、口

径7cm、全高5cm、手捻り成形の凹凸面に描かれた菊唐草が、と

ても優美です。中央のぐい呑は、口径6.7cm、高さ4.5cmで 使い

勝手が良い。山水人物や馬の窓絵を配置して、内外側面に染付

の紗綾文が、麗しく描かれています。口径8.5cm、高さ3cmで平

たい左の酒盃は、牧歌的な鳥と花絵が、内面に目一杯描かれて

いて好ましい。全て、ネットオ-クションを凌いで蒐集出来ました。
[6A-11,6B-46,6C-28 & 6C-30=
2004.12,2013.12,2015.5 & 2016.2]



[緑彩唐草紋の徳利、他]

他窯の追従を退けるような 緑彩唐草紋が全面に描かれている、高さ

14cmの丸っこい形状の美麗な徳利です。容量が2合もあって、優雅

な絵模様とのアンバランスが微笑ましく、観賞用の小壺としても申し

分ありません。左側の同柄・煎茶茶碗は、この徳利に合致するような

サイズ(口径:7cm、高さ:6cm)ですので、並べて飾っています。早

いもの勝ちのネットオ−クションで、目敏く見つけて蒐集できました。
[6A-32 & 9B-49=2014.4 & 2015.4]



[徳利と盃・松竹梅]

ほっと安らぎを感ずる形状の2合徳利と盃で、染付けによる松竹梅

の図柄です。手に持った 感触と質感も、本当に素晴らしい。 インタ

−ネット オークションに、初めて応札して、入手できた うつわです。
[6A-1 & 6B-2=2000.6]



[徳利と盃・赤絵龍鳳凰絵、他]

南京赤絵(中国の清代初期に 景徳鎮やその他の民窯で生産された

磁器)を彷彿させるような龍鳳凰絵の7勺徳利と鳳凰魚絵の盃です。

徳利の胴体には緑龍、頸部には鳳凰が自由奔放な筆捌きで描かれ

ていて、絵描き職人さんの強い意気込みが感じられて好ましい。高

さ 13cm、胴径 6cmの均整がある形状も美しい。源右ェ門銘の書

体から、1960年代の作品と思われます。口径 5.5cm、高さ 3cm

の手頃な大きさの盃には、赤・緑釉、金彩を用いて緻密で軽やかな

筆致で鳳凰,魚紋などが美しく描かれています。何れも大勢の応札

者が参加した 熾烈なネットオークションを凌いで、蒐集出来ました。
[6A-34 & 6B-36=2014.11,2009.9]



[徳利と盃・筋梅小紋]

小振りな形状と、染付筋の間の朱の梅小紋が、とても可愛いらしい

雰囲気を醸し出している一合徳利と盃です。両手の中に すっぽりと

納まる直径 8cm(注ぎ口を含めた高さが11cm)の丸っこい形状と

口径が少しずつ違う(4.5/4.0/3.5cm)盃は、花や月を愛でながら、

親友と仲よくお酒を酌み交わすように創られているのかも知れませ

ん。白熱のネットオ−クションで やっと落札して、蒐集出来ました。
[6A-23 & 24=2009.2,2011.1]



[徳利と盃・赤濃菊絵]

徳利の大きさは、上記の筋梅小紋と同一、盃の口径は4.5cm です。染

付けで彩られた窓枠の中には、緑釉に浮かび上がるように優美な菊の

花が描かれていて、窓枠の外周は鮮やかな赤農模様が輝いています。

徳利の口辺の染付波紋が、この作品の気品を一層盛り立てています。

運好く、ネットオークションの締切り間際に見つけて、蒐集できました。
[6A-48,6B-67=2022.2]



[徳利と盃・牡丹絵]

染付けによる牡丹の花が丁寧に描写されている、薄い生地で成形され

た1合徳利と高台を持った酒盃です。徳利には、牡丹の花が側面をぐ

るっと取り巻いている他、注ぎ口の内面にも描かれています。盃は、両

外側面に配置された牡丹絵と 高台端面の雷紋が、微妙なバランスを

保っています。インターネット オークションで落札し、入手致しました。
[6A-14,6B-19=2006.5]



[徳利と盃・笹絵]

染錦による笹絵が、上品にしかも艶やかに描かれている、七勺徳利

と高台を持った酒盃です。 料亭で使われていた酒器だったようです

が、京の舞妓さんがお酌をするととっても似合うような華やかさに魅

了されます。 ネットオ−クションで ようやく落札し、入手出来ました。
[6A-17,6B-28=2007.4]



[徳利と盃・金彩梅絵]

優美な白磁に古風な梅絵が染付で描かれている徳利と盃です。蕊に

は金彩が施されて、気品に満ちていますが、カメラワ−クが稚拙で上

手く表現されず残念です。徳利は、全高 9.5cm、胴径 6cm、盃は、

全高 3cm、口径 5.5cmと小振りですが、手に持つ蝕感が素晴らし

い。ネットオ−クションを凌いで、共箱付で蒐集しましたが、銘の書

体やおが屑のパッキングにより、1970年代の作品と思われます。
[6A-47,6B-66=2021.12]



[徳利と猪口・兜唐草紋]

すらっとした鶴首と下膨れの本体が絶妙な形状を醸し出して、とて

も安定感のある徳利と上品で小振りな猪口です。それらの周囲に

は、しっとりと落ち着きのある色調で、兜唐草が描かれています。

徳利の高さと最大径は12.5cmと8cmで、一合の容量がありま

す。まず、徳利をネットオ−クションで辛うじて入手しました。幸運

にも5年後に猪口を落札して、揃えて蒐集することが出来ました。
[6A-26 & 6B-50=2011.7,2016.3]



[瓢形徳利と猪口・葡萄絵]

研ぎ澄まされた美意識を感ずる、優美な葡萄絵の瓢形徳利と猪口で

す。古伊万里に多用されている葡萄紋が、バランス感覚の優れた構

図と、渋い染付,花赤,緑彩 そして茜釉の配色で、仄々とした明るさを

醸し出しています。高さが 約11.5cmの七勺徳利ですが、酒を注ぐ

時の軽やかな音や、注ぎ口と猪口の高台周囲の鋸歯状紋にも、趣

きがあって好ましい。ネットオ−クションで 何とか落札出来ました。
[6A-30=2013.2]



[徳利と盃・蝶と花絵]

染錦と言っても、染付けは 注ぎ口の繋ぎ紋と底面の「源右衛門」銘だ

けに使われています。七勺徳利の側面には、秋の多種な草花と ひと

つがいの蝶が、赤絵で 華麗に描かれています。また、底部に描かれ

ている 垣根風の繋ぎ紋も、古風ですが とても粋な風情を、醸し出して

います。盃も、側面に目一杯、菊・萩・桔梗が美しく描かれています。

銘の書体から、1960年代後半の作品と思われますが、秋の夜長を愛

でるのも好し、お正月の膳を祝う酒器としても、素晴らしいと思います。

厳しいネットオークションを凌いで、何とか入手することが出来ました。
[6A-22=2008.10]



[七宝紋の盃洗と酒器]

中央は、磁胎の白色と染付けに、落ち着いた緑彩と茜色で彩った、七

宝紋が、胴央と高台にバランス良く配置されている盃洗です。盃洗だ

けに、直径13cm、高さ11.5cmの大きさが有ります。杯洗を使って

酒を酌み交わす機会は皆無と思いますが、優美な紋様と形状に絆さ

れてインタ-ネット オークションで入手しました。1977年2月の大雪

の日に佐賀に転勤して、佐賀城址内の <二の丸亭>での歓迎会で、

杯洗の使い方について、初めて知りました。今は懐かしい、良き日の

思い出です。両サイドは、趣ある形状で同じ紋様の徳利と盃です。イ

ンタ−ネット オ−クションへ、出品予定とのメールを戴きましたが、

その方のご好意に甘えて、当方の指し値で購入させて戴きました。
[6D-2=2004.6、6A-10 & 6B-15=2004.11]



[松竹梅絵の酒器と蓋付茶碗]

純白な磁胎に、代表的な吉祥文様である「松竹梅」が描かれてい

る酒器と蓋付茶碗です。酒器は、独特な形状の徳利と高台付きの

猪口 そして安定感のある杯洗です。全ての器の外側面にはバラ

ンスよく松・竹・梅が配置されていますが、画像では朱が美しく映

える梅を手前にしました。徳利の胴径は7cm、高さは12.5cm、

杯洗の口径は12.5、高さは10cmです。徳利と猪口の口辺内側

に描かれている、趣のある笹の遊び心が好ましい。過熱気味の

ネットオ-クションを凌いで、幸運にも蒐集することが出来ました。
[6D-5=2016.9、6A-38=2015.10 & 9B-48=2015.2]



[貝藻紋の杯洗]

薄っすらと青味を帯びた白磁の表面に、ファンタスティックな貝や

藻が鮮明な色彩で描かれていて、心が鎮まる 六角口径14cm、

全高10cm の杯洗です。貝は、古来より食用の他に、その殻の美

しさや保存性から、貨幣・装飾品・日用品・玩具・魔除け 等々、多

岐に亘って用いられてきただけに、やきものの紋様にも多用され

ているようです。こんな粋なうつわを愛でながら、親友達と美酒を

酌み交したら、酒量も捗ることでしょう。口辺の錆釉も麗しく、見

込に描かれた絵模様と合せて、右側に縮小して載せました。ネ

ットオークションでは、稀少品とあって、何とか落札出来ました。
[6D-4=2012.6]



[染付濃みの杯洗]

2つの杯洗とも、高さ10cm,口径12.5cmで同じ大きさです。左側

の鉢は、染付濃み網目紋が全面に描かれています。網目紋は大漁

祈願や敵軍を一網打尽にする意味合いで、初期伊万里の時代から

好んで使われた紋様と言われています。素描の網目紋のうつわは、

しばしば見かけますが、白藍反転の網目紋は、珍しいと思います。

源右衛門窯特有の呉須の色が良く映えて、高台の磁胎の白さととも

に美しい。見込の網模様の細かさは、高度な濃筆の技能の賜物と

言えます。右の鉢は、染付け濃による菊と牡丹が、外周を2分して目

一杯、美しく描かれています。内面を黒釉で覆い、見込みには 精緻

な金彩で菊紋が描き込まれていて、作り手のこの器への熱情が伝

わってきます。何れもインタ-ネットオ-クションで 落札出来ました。
[6D-1,6D-3=2003.10,2006.2]



[なずな文の酒器セット]

小生の大好きな、江戸中期に多用された「なずな文」です。おそらく、

老酒用酒器と思われますが、落ち着いた優美な色彩で、手に良く馴染

む形 (ポットの全高;16cm、カップの高さ:7cm) のやきものです。

多くの応札者で競ったネットオークションで、何とか入手できました。
[6A-2,6B-8=2000.12]



[山水・文人の酒器セット]

徳利,盃とも 染付と赤絵のセットで、各々3種類の 山水や文人の

画が描かれています。インターネットオークションで落札しました。
[6A-3,6A-4,6B-6,6B-7=2001.2]



[染錦・桜濃の酒器セット]

徳利の高さは 11cm,最大径が 9cmで、両手にすっぽりと収まる

大きさです。酒盃も、小振りで可愛らしい。染錦濃の桜の絵柄が、一

層気品のある風情を醸し出しています。日本酒の味が判らない、無

粋な小生でも、この器で最上級の吟醸酒をゆったりと楽しみたいと、

誘惑に駆られます。インターネットオークションで、入手出来ました。
[6A-6,6B-12=2003.2]



[章魚唐草のビールカップ]

染付けの章魚唐草模様が、きめ細かく側面に描かれているビールカ

ップです。毎日の晩酌がビ−ル党の小生にとって、待望久しい源右

衛門窯のうつわです。 京王デパ-ト の秋の源右衛門新作展で見出し

即刻 購入致しました。口径8.3cm、高さ10.8cm の大きさ、側面の

曲率と大好きな染付けの紋様は、正に求めていた理想のビ−ルカッ

プでした。喉越しの良いクリ−ミィな泡が生ずるように、内壁面には、

螺旋状のスリットが刻み込まれているのも、真に心にくい造作です。
[6F-1=2004.10]



[青磁釉・竹筒状のビールカップ]

下部に竹の節がある他は、大きさや内壁面の螺旋状のスリットなど

上記の章魚唐草紋のカップとほぼ同じ構造です。口辺は金泥で縁取

られ、外側面は淡い青磁釉で覆われていて、とても気品に満ちてい

ます。世界中を震撼させているコロナウィルス騒動の憂さも、この

優美なカップにビールを注ぎ愛飲すれば、すっ飛んでしまうことで

しょう。ネットオークションを 何とか凌いで、蒐集出来ました。
[6F-8=2020.7]



[紺朱・麦藁紋のカップ]

加齢と共に健康診断の検査データの劣化が進み、大した酒量で

ないのに、主治医から禁酒せよとの厳しいお達しがあり、節酒の

決意の証しとして、口径7cm、全高9.5cmの可愛いらしいカップ

をネットショップで求めました。飾りっ気が無く、絵描き職人さんの

息遣いが伝わってくるような紺朱・麦藁紋に魅かれましたが、この

ささやかなやきものコレクションに、相応しい作品と言えましょう。
[6F-7=2020.1]


麦藁手(むぎわらで)は、江戸後期に尾張瀬戸窯の古民芸で

流行した文様で、鉄釉と朱赤(赤楽と呼ぶ顔料)が使われた

と言われています。単純さの中に瀟洒な華やかさが漂い、民

芸運動の父・柳宗悦さんや美の目利きと呼ばれた随筆家・白

洲正子さんなどの文化人に賞賛されました。麦藁手名の由来

は、絵柄の縞模様が麦の穂に似ていることに依るそうです。



[色山水絵の麦酒杯]

口径:6.5cm、最大径:7.5cm、蓋を含む高さが 11.5cmで

丸味があり 安定感に富んだ形状の表面に、色山水絵が丁寧に

描かれた ビ−ルカップです。和の趣きがある器で、洋酒の代表

格であるビ−ルを飲むのは、少々そぐわない感じもしましたが、

使い勝手がよく、飲むほどにほっこりした気分になる杯に、今で

はすっかり気に入って愛用しています。思いがけず 対でネット

オ−クションに出品されて、迷わずに応札して蒐集できました。
[6F-5=2016.3]



[緑黄彩唐草のビールジョッキ]

筆書きの限界を超えて、ミナイ手緑黄彩唐草文が、丁寧に口径7.5

cm、高さ11cm の側面に描かれているビ−ルジョッキです。金属製

の取っ手もバランス良く、とっても使い易い。この紋様のビ−ルジョッ

キを初めて見たのは、秩父にある 武蔵屋 さんの店頭でした。その時

の魅惑的な美しさへの深い感動で、何とか当コレクションに加えたい

と秘かに決意したものの、高額ゆえに10年間近く実現しませんでし

た。幸運にもネットオ−クションに出品されて、闇雲に落札しました。
[6F-3=2009.4]



[染付濃金彩草花紋のデキャンタ−]

源右衛門窯のやきものとしては、大き目な作品と言えるデキャ

ンタ−です。外径:14cm、全高:30cmで、栓には良質なコル

クが取付けられ、密閉への配慮も素晴らしい。本体は八面体で

底面には滑らかに「源」の一文字が筆書きされています。ダイ

ナミックに敷かれた染付濃に、繊細な金彩草花紋が描かれて

いて、源右衛門さんのお人柄が滲み出ています。加熱気味な

ネットオ−クションを何とか凌いで、幸運にも蒐集できました。
[6A-46=2017.6]

「デキャンタ」とは、主にガラスや陶磁器でつくられた、フタ付き

の食卓用瓶を言います。成熟したワインの澱(おり)を除去して、

心地よいタンニンにしたり、熟成感が足りない若い赤ワインを空気

に触れさせて熟成を促進したり、冷やし過ぎたワインの温度を上

昇させる効果も期待できます。ワインに限らず、ピッチャ−のよう

に使う蓋のついていない食卓用瓶は、「カラフェ」と言われます。






[染付け 紅毛人絵のボトル]

ボトルの高さは約21cm,最大径が11cm,720ml 入りで、六面

体の瓶です。2つの紅毛人の紋様が、三面ずつに丁寧に描かれて

います。この絵の原形は、 <文献3>の22頁に掲載されている「紅

毛伊万里 染付紅毛人図角徳利」にあると思われますが、実に染付

けの絵が美しい。当HPを訪問して下さったセレブなご婦人から、コ

レクションに如何?と思いがけず寄贈され、喜んで頂戴致しました。

------------------------------------------

右側の馬上杯も、可愛らしい形状のうつわですが、丁寧な染付けの

絵に魅了されます。 これは、ネット オ−クションで 入手しました。
[6B-4,6G-1=2000.9,2004.11]



この瓶を用いたウィスキーの経緯をお尋ねしましたら、アサヒ

ビ−ル(株)お客様相談室から、下記のご回答を戴きました。


ス−パ−ニッカ のデザインボトル「紅毛人絵伊万里風(有田・館林

源右衛門)」で、1977年11月
(佐賀市に在住し、屡々源右衛門窯

を訪れていた頃です)
に発売しました。贈答用として発売した商品

で、その後、数年販売したようですが、現在は販売を終了いたして

おります。発売当時の価格は、55,000円でご案内しておりました。


------------------------------------------


NHKの連続テレビ小説 マッサン[2014年、主演:玉山鉄二

さん]のモデルであった、ニッカ ウヰスキ−の創業者・竹鶴政

孝氏は、容器にもすごく拘りを持たれたと言われています。こ

の紅毛人絵伊万里風ボトルを用いたウィスキーにも、発売を

プロモ−トした 松坂屋の挨拶状に、高級ブレンドウィスキ−

の含蓄に加えて、源右衛門窯を称える熱のこもったメッセ−

ジが添えられていたと、後になって 知ることが出来ました。
----------------------------------


[追補]

[源右衛門窯の戌年の御年賀状]
平成18年元旦に拝受しました源右衛門窯の御年賀状には、

古伊万里資料館蔵<染付・紅毛人図角徳利>の写真が掲載

されていて、次のような説明(概要)が記述されていました。


<染付・紅毛人図角徳利>長さ:10.5、幅:10.5、高さ:19.0、十九

世紀前半 有田皿山産。オランダ人(紅毛人)と洋犬をモチーフに

した異国情緒溢れる図柄の徳利である。徳利としては特異の器

形は、花見などで野外に持ち出すことも考慮されたと思われる。









「 陶額のページ 」 「 工芸陶磁器 」 「 花瓶のページ 」 「 灰皿のページ 」 「 染付けの皿・鉢 」
「 染錦の皿・鉢 」 「 蓋物のページ 」 「 飯碗/蕎麦のうつわ 」 「 珈琲のうつわ 」 「 お茶のうつわ 」
「 白磁-字紋のやきもの 」 「 源右衛門唐津窯 」 「 書籍・パンフレット 」 「 やきものの本 」 「 共箱/垂涎の一品 」
(愛犬マリー) 「 お奨めサイト 」 「 改訂の記録 」