「蓋物のページ」
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[木甲割唐花地紋の蓋もの]
桐箱の名称は、「上染錦 木甲割唐花地紋詰絵 紅菊付菓子器」と筆
書きされていて、源右衛門窯の並々ならぬ創作意欲を感ずるふたも
のです。蓋には3個、本体外周には4個の菊窓絵を配置して、その
周りには びっしりと木甲割唐花で埋め尽されていて、目を見張るば
かりの美しさに圧倒されます。本体側面の丸み、浅い蓋と結び紐状
のつまみ、最大径15cm,全高9cm の磁胎を薄くした精巧な作り
は、とても優雅で 惚れ惚れと見とれてしまいます。ハンマ−タイム
が大幅に延長されたネットオ−クションで、何とか蒐集出来ました。
[7C-26=2011.2]
[蝶と牡丹の蓋もの]
蓋と外周に、しっとりと 落着いた色調で、蝶と牡丹が 優美に描かれ
ています。最大径15cm、全高8.5cm の均整の取れた大きさも魅
力的です。昭和53年2月、転勤で 東京に戻る時に、故 関川 功さん
から、お別れの記念品として戴いたうつわです。 関川 功さんには、
常々 六代源右衛門さんのお人柄と、作品の素晴らしさについて、ご
指導を戴きました。小生が保有する、最も貴重なうつわの 1つです。
[7C-1=1978.2]
[松・竹・梅 の蓋もの]
源右衛門窯の代表的な紋様の1つ、古染風松竹梅が、個々のう
つわに描かれている、3個1組の可愛らしい(直径:8cm,高さ:
5cm)蓋ものです。外形,抓み,紋様などの調和が、美しいばかり
でなく、使い勝手が良く、毎晩嗜むビールの肴の珍味入れとして、
重宝しています。インターネットオークションで、入手致しました。
[7C-5=2002.9]
[個性的な3つの蓋もの]
深みある源右衛門窯呉須が活かされた、個性的な3つの蓋物です。
右側の蓋物は、程良く 朱と緑彩を加えた染錦丸紋の蓋物で、直径
:7cm、高さ:6.5cmの可愛らしい大きさです。紋の描き込みの筆
運びに勢いがあり、洒落たロゴマークのようにも見えて 興味深い。
中央の蓋物は、染付の濃淡の色合いが優美な角地紋絵の蓋物で
す。直径:8cm,高さ:5.5cmの 錆釉で縁取られて安定感ある形
状も美しい。左側の薬味入れは、蓋の表面や外周に 趣深い色絵
の山水が描かれていて、外形,摘み込み高さ共に6cmの大きさ
です。口辺に 小匙用スリットが設けられている、丁寧な細工にも
魅了されます。全てネットオ-クションで、何とか落札出来ました。
[7C-11,7C-12 & 7C-28=2004.4 & 2011.8]
[小さくも魅惑的な蓋もの]
小さな作品ながら魅惑的で、対照的な2種の蓋ものを蒐集できまし
たので、並べて掲載致しました。左は、口径10cm、受け皿や蓋を
含む全高が 6cmで、精緻な染付の祥瑞捻り紋が、全面に描かれ
ています。 恐らく 1970年代頃に、割烹料亭で使われていたもの
と思われます。右は、7cm角の口径と全高4cmの大きさで、蓋,
見込,側面に万暦風花鳥が、染錦で優美に描かれています。同
系の菓子鉢を
「 染錦の皿・鉢 」に掲載してありますので、ご参照
下さい。どちらも、ネットオークションを凌いで、蒐集出来ました。
[7C-40 & 7C-60=2015.7/2020.11]
[美麗な3つの小蓋物]
両手にすっぽり収まってしまう大きさの、魅惑的で美麗な 三つの
蓋物です。左は、金彩千筋彫り紋で、最大径7cm,全高5.5cm
の瓢形の蓋物です。銘は底部に染付筆書きです。窯元さんの御
親戚の方から 譲渡して頂きましたが、50年程前の作品とのこと
です。中央は木製です。金と多彩釉で、緻密に美しく鳳凰が描か
れた陶板を、蓋に嵌め込む稀有な構造になっています。 右は、
蓋と本体の表面に、源右衛門窯 定番の文様・古伊万里風菊絵
が、綿密に描かれていて、染濃の磁製スプ−ン付きです。何れ
も、厳しいネットオ−クションを凌いで、何とか蒐集出来ました。
[7C-41,7C-47 & 7C-49=2015.8,2016.11 & 2017.2]
源右衛門窯の代表的な文様については、公式
サイトの
食卓のやきものを ご参照願います。
[花唐獅子絵の蓋もの]
可愛らしく ユーモラスな唐獅子が、うつわの側面と蓋の表面に、花
に囲まれて描かれている、直径:8cm,高さ:5cmの小さな蓋もの
です。蓋の見込みにも、花が美しく描き込まれていて、小粒ながらも
染錦の魅力を十二分に発揮しています。 絵柄や銘の様子から、か
なり古い製品と推定していましたが、昭和 60年代に発売された、
食器揃い「伊万里小会席」の中の珍味入であると、源右衛門窯HP
事務局に教えて戴きました。現品限りの半端物として、インターネッ
ト オークションに出品され、予想外の価格で譲渡して戴きました。
[7C-7 & 18=2003.4 & 2008.2]
[源銘方形・柘榴枝紋の蓋もの]
7cm の方形、高さ6cmで、清潔感溢れる可愛いらしい蓋ものです。蓋の
表面と本体の4側面には、同じデザインの柘榴枝紋、蓋の周りには、心が
和む七宝紋が、自由奔放に染付で描かれています。惣菜を小粋に盛った
り、小物入れにしたり、多用出来る点が好ましい。販売製品ではなく、六
代源右衛門さん直々の作品で、底面には柔らかな書体で、「源」が筆書き
されています。多分、源右衛門さんが多忙な業務の合間に、お気持を鎮
めて作られた やきものと思われます。幸運にも、早い者勝ちのネットオ
−クションの締切り間際に、目敏く見出して、蒐集することが出来ました。
[7C-52=2017.12]
筆書きの「源」については、酒器のページ の最上段に掲載しま
した、[3つの"源"銘の酒盃] を、ご参照戴ければ 幸いです。
七宝紋とは、輪つなぎの一種で、円形を四つ重ねて繋いだ連続文様
のことです。 一説によれば、四方に輪が広がっていくところから四方
となり、四方が七宝になったと言われています。七宝とは仏教で、金、
銀、瑠璃、波璃、珊瑚、瑪瑙、真珠 などを指します。七宝、陰七宝、丸
に七宝、七宝に花角、陰七宝に桔梗、丸に星付き七宝、星月七宝に
花角、割り七宝菱に花菱 & etc.などの多くの図柄があるようです。
[染錦 柘榴文の蓋物]
外径11cm、全高8cm、均整の取れた使い易い形状です。本体と蓋
には、柘榴の実・花と蕾・枝葉が、落ち着いた色調で丁寧に描かれて
います。嵌合部の外周は、程良い幅の錆釉で縁取られていて、染濃の
効果と合わせて、とても気品があります。暇に任せて、ネットサ−フ
ィンをしている最中に、ネットショップで見つけて購入出来ました。
[7C-59=2022.11]
[染錦 古典的絵柄の蓋物]
本体の側面は、松竹梅や鳥・草花を含む風景紋様と底部の鋸歯状
紋、蓋には 唐花紋と側面の繋ぎ紋、絵描き職人さんのサービス精
神がたっぷり詰め込まれた蓋物です。外径75mm、高さ85mmの
気密性が高い構造、絵柄からは 想像出来ないような重量感から、
紙巻煙草・小物入れと思われます。前の所有者によれば1960年
年頃の作品とのことでしたが、銘からも頷けます。希少作品のため
ネットオ−クションの応酬は激烈でしたが、何とか蒐集出来ました。
[7C-39=2015.7]
[染付 青海波紋の蓋物]
大海原に無限に広がる波、平安な幸せが未来永劫に続く願いの吉祥
紋が、染付の発色も麗しく、力強く全面に描かれています。口径:
15.5cm、全高:8cm、ほど良い大きさと安定感があり、使い
易く好ましい。ネットショップで目敏く見出して、収集出来ました。
[7C-60=2023.8]
[染錦 雲松山水絵の蒸し茶碗]
九州陶磁文化館
発行の柴田コレクション総目録を検索しても、雲に纏
わる文様の古伊万里作品は、極めて多いと言えるでしょう。この染錦
の蒸し茶碗にも、外径14cmの受皿、蓋付で口径9cm、全高8cm
の本体の全面に、群雲と松の葉の隙間から見える建造物が、ドローン
で俯瞰したようにしっとりと描かれています。幸運にもネットショップ
で見出して、独特な雰囲気を持つ絵模様に魅せられて蒐集しました。
[7C-61=2024.5]
[赤絵 瓔珞文の吸物碗]
瓔珞とは、珠玉や貴金属などを紐で編んだ装飾品で、元はインドの
貴人の装身具で、その後、仏教(仏像の装飾や天蓋の垂れ飾り等)
に取り入れられたとのことです。このうつわの大きさは、口径:8.5
cm、高さ:10cm と愛くるしく、本体側面や蓋の表面には、赤玉を
中心とした美しい文様が、鮮やかに描かれていて、食卓を華やかに
彩ります。「 文献2<源右衛門窯>の作品抄 」には、会席食器揃の一例
の中に紹介されています。インターネット オークションで求めました。
[7C-10=2003.10]
[染錦 花散し文の蓋物]
口径:10cm、胴径:13cm、全高:15cm、バランスが取れた
愛くるしい形状と、気品のある白磁の蓋や胴体全面に、散らさ
れた小花紋が実に優雅な蓋物です。水面から跳ね返った水滴
の様な染濃のつまみも、爽やかで好ましい。加熱したネットオ
−クションを、何とか凌いで蒐集出来たのは、正に幸運でした。
[7C-54=2018.1]
[青彩菊繪と朱濃鳥花繪の蓋もの]
高さ、外径とも 約13cmで バランスが良くとれた二つの蓋もの
です。右は、清々しい青彩菊繪が全体に伸び伸びと描かれてい
て、どっしりと重量感があります。左は、磁胎が薄いため軽量で
す。生き生きとした小鳥を取り囲んで、梅・桜・竹・太湖石などを
趣深く染付けで描いて、朱濃みによって、美しく引き締まった古
伊万里風の絵模様になっています。いずれも、ネットオークショ
ンでは非常に人気が高まり、やっとの思いで 入手出来ました。
[7C-3 & 7C-19=2001.7 & 2008.4]
[染赤濃 牡丹絵の蓋もの]
およそ 直径 12cm、高さ 9cmの紺朱一対の牡丹絵の蓋物です。
この優雅な牡丹絵は、文献1の#047染赤濃牡丹図飯碗(外周は
赤絵、内壁は染付け)に適用されています。飯碗は、言うまでもなく
日本人の食器の中心ですが、第六代館林源右衛門さんは、「”日常
茶碗”こそ、彼自身のもの造りの基本である」と言い切っておられま
す。それだけに染赤濃の牡丹絵は、源右衛門窯にとって 意義深い
紋様だと、考えています。事実、力強い筆捌きで描かれた大らかな
牡丹の花はどんなうつわにも調和して、必ずや使う人を満足させる
でしょう。この蓋物も凛とした気高さに魅了されます。当然、ネットオ
−クションでは 凄い応札合戦に成って、どうにか入手出来ました。
[7C-23=2009.7]
[木瓜割文の蓋もの1]
高さ9cm、外径12cm の古伊万里風木瓜割文の蓋ものです。蓋は
今まで保有していた人が、後から製作したようにも思われますが、定
かでありません。染錦の精緻を極めた木瓜割文のうつわの美しさは
目をみはるばかりです。インタ-ネット オ-クションで、入手しました。
[7C-4=2001.11]
[木瓜割文の蓋もの2]
本体と蓋の接合部には、錫環が嵌め込まれていて、美しい木瓜割文
の絵柄と相俟って、きっちりと嵌合する製陶技術の高さに、惚れ惚れ
と魅了されるうつわです。ド−ム状の蓋と側面底部の染付け七宝紋
が、更に 品格を高めています。外径が 9cm、蓋の天辺までの高さ
は 6cmで、とてもどっしりとして 安定した形状です。インタ−ネット
オ-クションに出品されているのを見つけて、何に使用するかも考え
ずに、しゃにむに厳しい応札合戦に加わり、やっと落札できました。
[7C-13=2006.11]
[楓葉形・葡萄絵の蓋もの]
最長径が13cm、高さが 5cm、本体も蓋も外形が楓の葉の形状をし
ているとてもお洒落な蓋ものです。蓋の上面や本体の側面には、清
楚な染付葡萄絵が上手に描かれていて、気品に満ちています。スプ
−ンの柄を設置するスリットもあることから、シュガーポットに最適か
も知れません。複雑な形状であるにも関わらず、座りや蓋の勘合も
きちっと定まり、名窯の陶芸技術の高さを実感いたします。ネットオ
−クションでは、応札者が殺到しましたが、何とか落札出来ました。
[7C-20=2008.7]
[シンバル状・菊唐草紋の蓋もの]
外径が16.5cm、全高が約8cmで、上蓋が一回り小さい斬新的な
シンバル状の凛とした蓋ものです。本体と蓋の上面には、華やかな
菊唐草が対称的に配置されて、大らかに美しく描かれています。源
右衛門銘は、本体の側面に滑らかに筆書きされていて、書体からし
て1970年頃の作品と思われます。ネットオ-クションでは、早い者
勝ち様式でしたので、幸運にも目敏く見い出して蒐集出来ました。
[7C-37=2013.10]
[松鶴図の蓋もの]
高さは 8cm、外径が10cm、実用的な大きさの染錦松鶴図の蓋もの
です。蓋と側面には、源右衛門窯がティファニー社と共同開発された、
染錦松鶴図大鉢の図柄が、引用されて描かれています。 この松鶴図
は、能衣装に見られる松鶴図の古典美を、陶磁器に再現されたと 言
われるだけに、荘厳な美しさに魅了されます。インタ-ネット オ-クショ
ンで根強い人気があって、厳しい応酬の末に、やっと入手できました。
[7C-8=2003.6]
[上が凹面状の2つの蓋もの]
右は明快なトリコロールの配色と繊細な赤濃み帯梅小紋が美しい蓋
ものです。左は趣き豊かに蓋の上面と本体側面に、筆の運びも滑ら
かに松林が描かれていて、共箱は平紐付です。凹面を有する蓋は、
斬新な形状で使い易い。高さ7cm、外径12.5 cmの大きさは手頃
で、食卓を飾り楽しむと同時に、菓子や惣菜にも良く合う 優れもので
す。ネットオークションでは人気が集まり、辛うじて入手出来ました。
[7C-9&7C-32=2003.7&2012.8]
[染付 栗紋の蒸し茶碗]
本体側面と蓋に、源右衛門窯特有の渋い染付けで、折枝栗が趣深く
描かれている5個一組の蒸し茶碗です。栗紋は日本固有の紋様?と
半信半疑で、柴田コレクションを検索しましたら、17世紀半ばの古伊
万里のお皿がありましたので、中国のやきものも チェックしてみたい
と思っています。口径8cm、蓋を含む高さが10cmで、主に惣菜や
酒の肴用の蓋物に活用しています。ネットオークションでは、人気が
沸騰して大変でしたが、何とか落札して蒐集することが出来ました。
[7C-27=2011.8]
[染錦 松鳥花絵の蒸し茶碗]
本体側前面には松の枝に止まっている鳥、同背面には太湖石と草花
が、名窯の染錦技法で 色鮮やかに生き生きと描かれています。同様
に、受皿には松の枝、太湖石と草花、蓋には松の枝が、美しく描かれ
ている 上質な蒸し碗です。本体の直径は 8.2cm、受け皿の直径は
10cm、蓋を含む全高は11cmで、厚目の磁胎による福与かな形状
と滑らかな筆捌きは、気品に満ち満ちています。幸にも 早い者勝ち
のネットオ−クションで目敏く見出し、即刻応札して蒐集出来ました。
[7C-38=2014.12]
[染錦 柘榴絵の蒸し茶碗]
蓋の表面と本体側前に、染錦の粋を集めて大らかに柘榴絵
が描かれている蒸し碗です。朱、茜、黄、緑の彩色が、染濃
に鮮やかに映えて、その美しさに魅了されます。袴は渋くて
落ち着きのある錆釉一色で、本体との対比が際立っていま
す。袴を取ると、本体底部の純白な磁胎と多色の鋸歯紋が
現れる遊び心も好ましい。全高10.5cm、最大径9cm、袴
の外径と高さは、7cm&3.5cmです。ネットオ−クション
の締め切り時間際に応札して、幸運にも蒐集出来ました。
[7C-42=2015.9]
[丸紋の蓋もの-1]
一見、飯碗と思える素朴な形状ですが、口径12cmの本体と蓋に
描かれた丸紋の美しさに目を奪われます。とても遊び心に富み 多
彩で多様な絵柄が、精巧に丸枠で囲われていて、気品に満ちてい
ます。ネットオ−クションで入手できましたが、出品者の説明では、
昭和20年代の作品とのことです。高台内に書かれた "源右エ門"
銘の書体からしても、凡そ 50年前に作られたものと思われます。
[7C-25=2010.11]
[丸紋の蓋もの-2]
上記の鉢と対照的な平べったい大きめな鉢です。染と赤絵により
2種の丸紋が、蓋と本体側面に連続するように渦状に描かれて
いて、ホップ感に富む楽しくお洒落な文様です。大きさは、最大
径21cm、全高11cmです。1960年代頃の作品で、料亭で愛
用されていたようです。ネットオ−クションで、蒐集出来ました。
[7C-55=2018.7]
[小梅丸紋の蓋もの]
小さな朱の梅の花を緑彩で丸く囲んで、その外周を染で自由奔放に
描いた丸紋が、本体や蓋の全面に散りばめられています。更に丸紋
は黄釉濃が施されていて、磁器の冷たさが 全く感じられません。外
径18cm、高さ8.5cmの平蓋物で、キャンディーやクッキー入れが
最適ではないでしょうか? 文献1の館林源右衛門作品抄には図録
#55として掲載されています。この図柄の作品は保有していません
でしたので、ネット オ−クションで 採算を度外視して落札しました。
[7C-24=2009.8]
[鹿紋の蓋ものと湯呑]
緑釉と茜釉で縁取りして、染付で鹿紋と三重塔絵が趣深く大ら
かに描かれている、蓋物と湯呑茶碗です。境域には 菱紋濃が
しっとりと描かれています。蓋物は五個組商品、茶碗は急須と
の組商品ですが、それぞれ単品として出品されました。初めて
見る紋様でしたので、必ずや蒐集する意気込みで、ネットオ−
クションに応札しました。製作年代を 窯元さんに問合せました
ら、1970年代の作品とのことでしたが、現在でも注文に応じ
て下さるとのご回答でした。作品の優雅な美しさはもちろんの
こと、窯元さんの親切で迅速なご対応に、深く感動しました。
ちなみに 蓋物の口径は15.5cm、全高は10.5cmです。
[7C-50 & 7D-7=2017.7]
[染付 祥瑞亀甲紋の蓋もの]
力強い亀甲地紋が、深みある呉須で全面に描かれていて、人物と鳥
の丸窓絵が趣き深く配置されている蓋物です。本体と蓋は、きっちり
嵌合して優美な瓢形に成る点も好ましい。底は渦面の成形で、銘は
彫られています。最大径7cm高さ7cmと小振りですが、全く隙がな
く気品に満ちています。六代・源右衛門さんが、源右衛門様式を確
立された前の作品と思い、源右衛門窯・HP事務局に問い合わせま
したら、「1965年頃に高級料亭の誂え品として作られたものと考
えられます」とのご回答でした。この機会を逃したら入手不可能に
なると思い、闇雲にネット オ−クションに応札して 蒐集しました。
[7C-34=2012.12]
[染付と赤絵の喰篭]
染付と赤絵の二つの相似(外径:9cm、高さ:6cm/6.5cm)形の
喰篭(じきろう: 茶道で使う蓋付きの菓子器)です。左は、染付線画
による唐の人物(騎馬武者や文人など)紋が、全面にきめ細かく描
かれていて微笑ましい。右は、上面に牡丹絵が艶やかに、側面に
は花の繋ぎ紋が趣深く描かれていて、小振りながら存在感が大き
い絵模様です。源右衛門銘の書体から、どちらも1960年代の作
品と推定されます。ネットショップで見い出して、蒐集致しました。
[7C-35&7C-59=2013.1/2020-3]
[祥瑞丸紋の菓子鉢]
鼓状に中央が絞り込まれた側面と蓋の表面に配置された丸窓に、人
物・山水・幾何紋・植物などを描き込んで、全体に 染付濃が施されて
いる菓子鉢です。独特な形状で、外径が15cm,高さが10cmの手
頃な大きさも魅力的ですが、とてもノスタルジックな雰囲気が、何とも
素晴らしいうつわです。事実、秘染の色調や筆書の源右衛門銘の様
子から、1960年代の作品ではないでしょうか。ネットオークションに
出品されたのを、逸早く見つけ出して、蒐集することが 出来ました。
[7C-30=2012.1]
[祥瑞&山水絵の蓋物]
外径が15cm,高さが7.5cm、均整の取れた手頃な大きさの蓋
物ですが、形状や紋様によるのか、大き目に見えて貫禄さえ感じ
ます。本体側面と蓋表面には、祥瑞・山水絵・鳥と松竹梅・多様な
丸紋などが満載されている、とても興味深い図柄に魅了されまし
た。幸運にもネットショップで見つけて、実用上も鑑賞的にも実害
の無い小さな削げが口辺にあったためか値引きされて、掘り出し
物価格で蒐集出来ました。多分、1960年代の作品と思われます。
[7C-58=2022.8]
[鳳凰唐花絵の蓋もの]
本体と蓋全面に、優雅な鳳凰とそれを囲む唐花が染付でゆったりと
描かれている、直径14cm/全高9.5cm の均整が取れた蓋物で
す。料亭などプロ向けのうつわだと思われますが、一般家庭でも使
い勝手が良く、食卓を一層豊かにしてくれます。蓋の裏側に、実用
や観賞に全く影響がない 小さなソゲがあったためか、ネットオーク
ションではコンペチタが現れず、低価格で蒐集出来て幸運でした。
[7C-57=2020.9]
[梅鳥紋の蓋もの]
淡い染付濃みで飛翔する鳥と梅の花を浮き上らせた、大らかな絵が
本体と蓋の表面に美しく描かれています。鉢の口径は15cm、落と
し蓋と高台を含めた高さが9cmで、家庭用に色々と使える形状と
大きさです。食卓を上品に落ち着かせてくれる、不思議な魅力を持
っています。厳しいネットオークションで、ようやく落札出来ました。
[7C-16=2007.12]
[染付 章魚唐草の蓋もの]
源右衛門窯の染付けが映える章魚唐草が、蓋と本体の外全面に、丁
寧に描かれている蓋物揃えです。口径14cm、蓋込みの高さ9cmの
大きさは、家庭用の丼としても手頃です。底側面と高台が一体構成の
独特の形状で、余すところ無く 章魚唐草で埋め尽くされている点が、
章魚唐草好きにとっては堪らなく嬉しく、心底魅了されます。うつわの
優雅さとは逆に、ネットオークションは熾烈で、何とか入手できました。
[7C-15=2007.4]
[染錦 鉄線花絵の水指]
蓋や本体側面に、奥床しい鉄線花が描かれている、高さが18cmもあ
る大きさの水指です。用途から見ればお茶のうつわの範疇でしょうが、
素晴らしい作りから、敢えて蓋物のページに加えました。 きっちり嵌合
する心地よさに加えて、抓みの上面や口辺に描かれた染付・七宝紋も
お洒落です。塗の共蓋も趣深くて、茶道の奥深さを感じます。とても手
が届かない、名窯の代表的な作品・同柄の大壺に思いを馳せながら、
厳しいネットオ−クションを凌いで、やっとの思いで 蒐集出来ました。
[7C-43=2015.9]
大壺<染錦鉄線花>は、文献1,文献3、
並びに源右衛門窯の
公式サイトの
住まいのやきもの の中に、掲載されています。
[蓋もの・大明萬歴年製]
「源右衛門」銘は 釘彫りで、大胆な図柄が、美しく綿密に描き込ま
れた蓋ものです。その魅力に惹かれて、インターネット オークション
に応戦し、落札しました。かなり 古い製品と思い、
源右衛門窯 に
お尋ねしましたところ、ご親切にも六代 源右衛門さんのご子息で、
(株)源右衛門窯 代表取締役製品開発室長*の
金子昌司さんから
「文様や絵の具の色から観て、おそらく 昭和10〜20年代の製品と
推察します」とのご回答を戴きました。大切に愛蔵したい逸品です。
口径は17cm、抓みを含めた高さは10cm、かなりの大きさです。
(追記)* 2009年8月、代表取締役社長に就任されました。
[7C-2=2000.8]
2002年8月8日の深夜、NHK番組「ジャパンインパクト:磁器」が、
放映されました。電子通信技術や宇宙工学など、革新技術の新素材
として、磁器の可能性を探る中で、やきものの伝統技術が、如何に生
かされているか、極めて注目すべき内容でした。 やきものの伝統技
術を忠実に維持伝承する窯元として、源右衛門窯とその工程が、詳
細に紹介されていました。特に、還元雰囲気で焼成する「攻め焚き」
と、有田和絵具の「花赤」のお話は、興味を惹きました。また、金子昌
司さんのご意見も拝聴出来ました。再放送を大いに期待しています。
「花赤」 と 「攻め焚き」 については、佐賀ときめき大学の
肥前陶磁器の世界 >陶磁器を学ぶ >ときめき道具探訪 >
[絵の具] 及び [窯] や、源右衛門窯 HP の工房訪問 >
職人技・窯焚き師 のページに、親切に説明されています。
文献2 の 38〜39ページには、辻公也さん(辻絵具屋・
五代当主)に伺った、有田和絵具 作りの秘伝に関わる、
真に興味深い記事と苦心談が、詳しく掲載されています。
2003年 2月25日、「ジャパンインパクト:伝統の技が未来を開く」
が、NHK出版
から発刊されました。白さを求め火と48時間の格闘
の表題で、源右衛門窯の記事が、P183〜8 に掲載されています。