「飯碗/蕎麦のうつわ」

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[優美な染錦・菊唐草紋の飯碗]

標準的な大きさ(口径:10.5cm、高さ:7cm)ですが、菊唐草絵が

とても美麗で、存在感が大きな飯碗です。食卓をぱ〜と明るくする

染濃を背景にした 華やかな文様や、持った時の質感に、心底魅了

されます。思いがけず ネットオ−クションに出品されて、必ずや蒐

集しようと意気込んで、熱気漂う応札合戦に加わりました。菊唐草

紋の古伊万里作品は数多く見受けられますが、このような贅を尽く

した飯碗は、まず無いのではと思われます。自ら 「ちゃわんや」と

称された、源右衛門さんの意図を 強く感ずる作品と言えましょう。
[7H-21=2016.11]




[愛らしい染錦・橘紋の飯碗]

口径は12cm、蓋込の高さが7.5cmの愛らしい橘の花が描かれ

ている飯碗です。ネットオ−クションに出品されたこの器を見て、浅

学ゆえに、珍しくて愛らしい文様だなぁと言うのが第一印象でした。

九州陶磁文化館発行の柴田コレクション総目録を 検索して見まし

たら、橘紋の器は極僅かで、それも全て橘唐草紋でした。橘は、そ

の葉が四季を通じ生い茂ることから、生命力や長寿の象徴と言わ

れ、文化勲章の文様としても採用されています。樹木は、積雪にも

よく耐えて育つため、人徳があり 奥ゆかしい人を 「橘のようだ」 と

例えられることを知って、蒐集欲が沸々と湧いてきました。口辺に

は、橘の実を連想させる 丸紋濃帯が在り、実に優美で好ましい。
[7H-20=2016.9]




[染錦・丸紋の飯碗]

口径は11cm、高さが7cm、真ん中に小さな梅の花をあしらった

丸紋が描かれている、手頃な大きさの飯碗です。黄釉濃により、

とても華やかで大らかな作品に仕上がっています。文献1によれ

ば、源右衛門さんの遊び心を即刻投影された故に、磁器の冷た

さを感じさせない楽しい文様の作品になったと言われています。

早い者勝ちのネットオークションで見い出して、蒐集できました。
[7H-19=2015.11]




[染濃・麻紋の組飯碗]

麻紋は日本の伝統的な文様で、平安時代に仏教の尊像の衣服の

図柄に使われたり、江戸時代には着物の流行の図柄となったと言

われています。この組碗を見て 気持ちがほっこりするのは、以前

に、赤ちゃんの産着の定番の絵柄として、この文様が愛用された

からなのでしょうか・・・・? 本体と蓋の全面に、四方八方に拡がる

七宝紋と同じ様に、吉祥の絵模様に通ずる優美な麻紋が、淡い染

濃で丁寧に整然と描かれていて好ましい。濃み足が無く源右衛門

銘や共箱の様子で、1960年代 の作品と思われます。ネットショ

ップで見付けて、珍しい麻紋の器に魅かれて、買い求めました。

薄地で軽く、大きい方の碗は、口径11cm、全高6.5cmです。
[7H-26=2020.1]


九州陶磁文化館発行の柴田コレクション総目録を検索して

みましたら、純然たる麻紋の古伊万里作品は皆無で、他の

絵柄と組合わせた麻葉紋の作品が、8点載っていました。





[藍が美しい飯碗]

高台と蓋頂部が八角形に細工されていて、それらの内表面には、彫

られた渦紋と源右衛門の描き銘があり、各側面には 趣深い「吉」の

字が書かれています。本体と蓋の表面は、丁寧な筆使いで源右衛門

窯独特の呉須が、濃淡きめ細かく描き込まれて、凛と輝いています。

手に持った瞬間、軽さと生地の薄さに驚かされます。ネットオ-クショ

ンに出品された方のご実家が、戦前から多くのお客で賑わった福岡

の旧家で、最近になって見つかったやきものと言うことです。確かに

これだけの細工がある飯碗は、近頃 珍しいのではないでしょうか。

後日、同系の朱濃の飯碗を、ネットオークションで蒐集出来ました。
[7H-3 & 7H-25=2004.12,2018.3]






[2つの山水絵飯碗]

口径10.5cm、全高6.5cm、清潔感が溢れる2つの染付山水

絵の男性用飯碗です。左は、ダイナミックな筆遣いで、内面にの

み絵付けされていて、濁し手のような地肌です。 右は、外側の

下部と 内側の上半分に、やや薄手で純白な地胎に合わせたよ

うに、精緻な絵模様が 美しく気高く描かれていて、お客様用に

使用するのが相応しいと思われます。両方とも、早い者勝ちの

ネットオ−クションで、目敏く 見付け出して、蒐集出来ました。
[7H-16,7H-22=2014.2,2017.5]




[染付金彩の山水絵飯碗]

口径12.6cm、全高 8.5cm、薄手でやや大き目の飯碗です。眩い

ばかりの白磁の面に、素晴らしい発色の染付で山水絵が趣深く描

かれていて、蓋には漢詩の一節が滑らかに書かれています。山の

稜線には金彩が施されていたり、共箱は桐製であったり、作り手の

熱意が強く伝わってきます。1960年頃に作られたと思われる古い

作品です。幸運にもネットオ−クションを凌いで、蒐集出来ました。
[7H-7=2008.1]




[菊牡丹絵の蓋付小丼]

丹念に精錬、水簸、調合、摺り作業を重ねて得られた高質な和絵具

を、たっぷりと絵筆に滲みこませて描かれた、菊と牡丹の花が 極め

て艶やかです。他方、葉や茎は 深みのある染付と緑彩釉で明快に

描かれていて、気品に満ちています。ネットショップでは、大き目な

飯碗として売られていましたが、口径が13.5cm、全高は9cmも

もあり、小丼と言えます。とても華やかで存在感が大きい器です。
[7H-23=2018.2]




[2つの染錦飯碗]

対照的な2つの染錦の飯碗です。左は、軽妙なタッチで 内外側面に

朱菊絵が描かれている、深めのご飯茶碗です。右は、染錦の粋を結

集して、蓋・本体の地模様に牡丹、ハート形の窓絵に松竹梅、扇形の

窓絵には椿の花(文献2 -P51に載っている染錦間取牡丹図酒器と

同じ図柄です。)が描かれている、浅めのご飯茶碗です。せわしいこ

の頃は、蓋付きの碗でご飯を食べる余裕はないかも知れませんが、

炊き込みご飯など、絵柄を愛でながら、中から どんなご飯が現れる

のか、胸躍らせる心豊かな食卓も、たまには良いのではないかと思

います。二つとも、インターネット オークションで、入手出来ました。
[7H-1,7H-2=2004.2,2004.3]




[ユニークな図柄の飯碗]

口径11cm、高さ6.8cm の大きさで、飯碗と言うより 小丼の方が

妥当かも知れません。右は、外側面には紺朱で、内側面には染付け

で、唐傘が 趣き深く描かれています。1950年代前半まで、身近で

使用されていた記憶がありますが、いつの間にか日常生活から姿を

消した唐傘。今でも あの独特な油紙の匂いと、竹柄の優しい感触や

重さが、懐かしく思い出されます。ネットオ−クションで、思いがけず

"おまけ"として譲渡されました。中は、蟹絵が内外側面にダイナミ

ックに描かれています。その図柄や呉須の発色から、食事する度

に元気を貰えます。左は、外側面に 美しい菊などの花散し紋が、

染錦で可愛いらしく描かれていて、心底魅了されます。何れも、加

熱した ネットオ−クションで、辛うじて 落札することが出来ました。
[7H-5,7H-9 & 7H-10=2006.8 & 2012.2]


唐傘絵のお碗は、文献1の 図版120として掲載されています。






[梅彩絵の飯碗]

梅の花が、高台を除いてお碗の全面に、染付けで力強く描かれてい

て、使うたびに元気を貰えるような うつわです。口径が12cm、高さ

は 5.3cm、厚みのある磁胎で頑丈な造りになっていて、持った時

の触感も素晴らしい。高台外径は4cmで、「源」の銘が筆書きされ

ています。インタ-ネット オ−クションで、ご出品者による 説明内容

が的確でなかったため、運良く掘り出し物価格で入手できました。

以後、我家の毎日の食卓の主役として、重宝に活用しています。
[7H-4=2005.12]




[緑彩唐草紋の飯碗]

本体の底部と蓋の頂部に朱濃を配置した他は、全面に緑彩唐草紋が、

気高く丁寧に描かれている飯碗です。適度な磁胎の厚みの質感も好ま

しく、口径11.5cm、蓋を含む高さ8.5cmの造形は、使い勝手が良

いばかりでなく 観賞用にも素晴らしい。口辺の染付繋ぎ紋の美しさは

手書きの極致であり、名窯の製陶技術の高さを 如実に表しています。

熾烈を極めたネットオ−クションで 何とか落札して、蒐集出来ました。
[7H-14=2013.2]


この美しい緑彩を見るにつけ、有田和絵具さんのご尽力が偲ばれます。




[草紋の蓋付き飯碗]

清々しい草紋が、お碗と蓋の外面に、染錦で凛と描かれています。

主要な草葉は染付け濃みで、腋生の小さな葉と花は緑彩と朱で、

それぞれ彩られていて、とても美しい。外径12cm、蓋も含めた全

高7cm、磁胎が薄くて軽く、とても使い易い形状に成形されていま

す。お客専用に、熾烈なネットオークションで競って入手しました。
[7H-6=2007.9]




[優美な染錦の飯碗]

中央の蓋付茶碗には、古伊万里を斬新な感覚で現代にアレンジした

波濤兎絵が、うつわ全体に描かれています。本体と蓋の見込みにも、

愛らしい兎が染付けで絵付けされています。最大径は12cmで、飯

碗にはやや大きく、惣菜用蓋碗が最適でしょう。 左右の茶碗は、側

面に 清楚な染付け七宝地紋を挟んで、菊と牡丹が気高く描かれて

いて、口径が10cmの形からしても女性にぴったりの飯碗です。幸

いに両方とも、賑うネットオ−クションで落札して、蒐集出来ました。
[7H-11 & 12=2012.8 & 11]


蓋付茶碗は、「古伊万里風 染錦 波に兎図」 蓋碗とし

て、文献1の図番109にモノクロで掲載されています。





[鮮やかな蕎麦猪口]

瓔珞(珠玉や金属玉をひもで繋いだ装身具)文のうつわは、鮮やか

な色調で、根強い人気があります。左側の蕎麦猪口も、大きな赤玉

でアクセントをつけて、真に美しい絵模様です。右の蕎麦猪口は、古

伊万里の紋様には見られない向日葵に挑戦したような 力強い染付

けの図柄で、実に爽快です。夏のシンボルフラワー向日葵は、正に

源右衛門窯に打って付けの紋様だと思います。何れも 口径:7cm

強、高さ:6cm弱で小振りです。中央の猪口は、側面全体に染錦で

古伊万里風桜絵が優雅に描かれています。口径:7.5cm、高さ:7

cmの大きさは、蕎麦食いの小生には丁度好い大きさです。全て、

ネットオークションの厳しい応札合戦で、辛うじて入手出来ました。
[7D-2,7D-3 & 7D-5=2000.11,2004.11 & 2008.1]




[祥瑞梅鳥紋の蕎麦猪口]

外側面の半周に山水、残る半周に梅鳥、内外の口端部分に波の紋様

が、染付けにより味わい深く描かれてます。口端は錆釉で縁取られて

いて、清々しい気品に満ちています。大きさも、家庭用として手頃(口

径 8.3cm,高さ 6.5cm ) で、ぽってりした磁胎の質感も好ましい。こ

の猪口で頂く お蕎麦の味は格別で、夏季の食卓には欠かせません。

白熱するネットオークションに加わり、やっとの思いで落札出来ました。
[7D-4=2007.3]




[章魚唐草の蕎麦猪口]

蕎麦好きな小生にとって、章魚唐草の猪口は、絶対に手に入れたい

うつわでした。思いがけずインタ-ネット オ−クションに出品されて、

財布の中味の後先も考えずに、夢中で応札して、何とか入手出来ま

した。でも がさつな小生には、優美な染付けの唐草模様、口径 6.5

cm、高さ 5.5cm の瀟洒な形状は、上品すぎる かも知れません。
[7D-1=2000.7]




[筋梅小紋の片口]

筋梅小紋が描かれた、本当に可愛らしい小振りな片口です。新婚家庭に

うってつけ?!のうつわです。拙宅には不釣り合いと思いましたが、つい

インターネットオークションに 応札し、入手しました。蕎麦好きな小生は、

このうつわを、蕎麦つゆの 濃さ加減の調合に、重宝に活用しています。
[7G-1=2001.2]




[染付・笹絵の汁入]

全高:8cm、最大径:16cm、一見 酒徳利状の汁入で、とても安定感

があります。やわらかな若竹の葉が、呉須の濃淡を活かした力強い筆捌き

で、肩から底に向かって風にそよぐように描かれていて、清涼感に富んで

います。底面や共箱に「源」の一文字が書かれていて、六代源右衛門さん

直々の作品であることが分かります。幸運にも、ネットオ−クションで締

め切り間際に見つけて蒐集出来ました。文献1の図番78&79に、モノク

ロで同系文様の大鉢が、掲載されています。ご参照下されば幸いです。
[7F-2=2021.9]




[なずな文のだし入れ]

赤絵を生かした、なずな文の だし入れです。何気ない美しさを備えた う

つわです。新橋にある 源右衛門窯 東京ショールームで 行われた、「う

つわ展」を観賞させて戴いた時に、購入しました。この時、三越で 開催

された「古伊万里のすべて展」の招待券を戴き、真に感謝しています。
[7F-1=2001.2]

この東京ショールームは、2003年12月26日をもって閉店され、その

業務は、中央区八丁堀の源右衛門窯 東京店 に統合・継承されました。

2020年7月31日 東京店は閉店され、有田の窯元店に継承されました。







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